わかってない奴の不機嫌にイラ モヤッとドラマ②
今日はモヤッとドラマ①を西田目線で見ていきます。
初めて読んでくれた方はドラマ①を読んでくださいね!
それでは始まります!
西田は得意先のユアカンパニーに来ていた。
ユアカンパニーは社員30人ほどの財布や小物を販売する小さな会社だ。
ネット通販で堅実に売り上げを伸ばし、デパート販売中心でコロナの影響をモロに受けた同業他社のなかでは健闘している。
西田にとって大きなお得意様の一つだ。
西田が来社を告げると、普段は仕入れ担当の木村が応対に来るのだが、今日は部長の柳田が来た。
嫌な予感。。
基本的には良いお客さんなんだが、ちょいちょい強引な値下げを要求してくる。
柳田「お、西田ちゃん!今日も景気良い顔してるね!」
西田「景気良いわけないじゃ無いですかー、こちらはヒィヒィですよ」
柳田「ハハ、儲けてるのはお宅だけってみんないってるよ!
あ、そうだごめん、木村からk-235の財布の発注っていってる?」
西田「k-235でしたら木村さんから30個の注文受けてますよ。」
柳田「あー、そうか!それでさ上から今月ちょっと仕入れの数字抑えられちゃってさ。それ20個にしといてよ。また近いうち発注するから」
西田「あれ、30個からの割引価格って社内規定なんですよー。だから木村サン30で注文くれたんですけど。。。」
柳田「そこを頼むよー。ちゃんとまた取るからさ。今回だけ割引価格で、ね!」
柳田は一度言ったら覆すのは大変だ。しかも今回の案件くらいなら、いつもの強引な値引きより全然簡単。
逆にこれを聞いておく事で次に値引き交渉された時、一つの貸しとして有利に話を持っていける。
西田「わかりました。一旦社内に話持っていきます。まぁでも大丈夫、何とかします!」
柳田「さすが西田ちゃん!話が早い!じゃそういう事でよろしくねー」
柳田はそれだけ言うと風のように去っていった。
次の日の朝、西田の会社「モヤイ商事」
西田の会社の営業は基本的に午前中は社内での業務、午後にお得意先にまわるルーティンになっている。
昨日の値引きの件を「k-235」担当の佐藤に了承してもらわなくてはならない。
佐藤はこう言ったことには割と柔軟に対応するので問題無いと思うが、生真面目なところがあり、事前に了承を得なかった事に対して小言をいってきそうだ。
でもあの場での対応はあれが1番だと思う。
あそこで決断することで柳田に対して次の交渉の際の「貸し」を作れた。
あの場面で「社内で協議します。後ほど連絡します」なんてやってたら、例え値引きしても誰の功績かがボヤけて「貸し」にならない。
ここら辺の機微は現場でないとわからないから佐藤に説明する気はない。
西田「サトクン、この商品って30個から割引だけどさ。在庫少ないから30個売るの怖いんだよね。20個で割引価格で良いよね?」
在庫の事は調べて無かったが、目検討で少なくなってたはず。
佐藤が値引きをオーケーしやすいようにレールを敷いただけだ。
佐藤「在庫的には大丈夫かもだけど、どうせ西田さん、もうお客さんに話しちゃったんでしょ?」
あ、このパターン。
値引きはオーケーだけど小言確定だ。。
なんで完璧な対応して小言聞かなきゃならんのかなぁ。
西田「まあ。。そうなんだよね。20個で割引でゴリ押しされちゃってさ。今回だけ何とかそれで良いかな?」
佐藤には以前飲み会の時「俺は忙しくてテンパっちゃうとそれ以上頭に入らなくなっちゃう時があるんだよー、そういう時はごめんね」
という話をした事がある。
佐藤も「そういう時ありますよねー、わかります」と答えてたはずだ。
だから西田は極力忙しい風で伝票を書きながらパソコンをいじった。テンパってる演出だ。
不当な小言を防ぐために何でこんな事しなきゃならんの?とちょっとモヤッとしながら。
佐藤「今回は割引価格でいきましょ。ただ、」
あ、ダメだ。ちょっと今このタイミングで小言聞きたくないわ。
西田「ストップ!オーケー、ありがとう、後の話はいいや」
佐藤はグッと息を飲んだ様子だったが何も言わなかった。
やはり忙しく、いかにもテンパってる風にしてたから佐藤もわかってくれたんだな。
俺も役者だよ。
お昼休み
西田は佐藤の隣のデスクだ。
佐藤は弁当を食べてるが、どことなく不機嫌な様子。
仕事中に不機嫌な態度はみんなにとって迷惑なのにな。
まぁ少し軽い話でもして気分和ませてやろう。
西田「昨日、いつものパチンコ屋でスロット打ったらさー。千円でビッグ!
その後も連チャン止まらないで今日は肩痛くてさー。。」
スロットで出たことを自慢してると思われても癪なので肩が痛いって事を強調した。
ここら辺まで気をつけないと逆にイラつかれるからな。
佐藤「わかりました!もうその話いいですわ。全然興味無いんで」
はぁー❓
こちらは仕事中あからさまに不機嫌な態度取られるのが不愉快だから、気を使って話しかけてやったのに何だこの対応!
でもケンカしてもしょうがない
モヤッとするけどここはキレるのはやめとこう。
でもあれはないよな。
西田「いや。。。でもそんな言い方なくねえか?
俺は別に普通に話しただけなのに」
佐藤「わかりました。言い方強かったのは謝りますけど、ちょっと調べ物あるんで話しかけないでもらえます?」
ここは会社だぞ、自分の不機嫌押し付けるなよな。小学校じゃないんだから。
西田はそう言いたい事をグッと抑えてモヤッとした気持ちを抱えたままおしだまった。
さて、日常のちょっとしたモヤッとを佐藤と西田両方の目線で見ていただきました。
どちらの方に共感しますかねー?
また書きます!