tyokochinのブログ

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仲良く見えても女は怖い  モヤッとドラマ③  

今回はモヤッとドラマ コンビニのおばちゃん編です。

 

作家じゃないので当然自分の経験を思い出しながら書くんですが、書いているうちに「あれ、あの時かなりムカツイたけど俺も結構嫌な奴だな」とか気付いて楽しいですw

 

それではどぞ!

 

モヤイ商事の社員南野とパートの渡辺がいつものコンビニに弁当を買いに行く場面

 

南野が会社近くのコンビニに弁当を買いに行こうと席を立つとパートの渡辺が声をかけてきた。

 

渡辺「あら、南野くんコンビニ行くの?」

 

南野はモヤイ商事に去年入った23歳の新人。ちょっと可愛い顔をしてる男の子なんでママさんパートの渡辺さんは何かにつけて可愛がっている。

 

南野「ええ、いつものコンビニに弁当買いに行きます」

 

渡辺はちょっとぽっちゃりしてる40代のパートさん、明るくて話しやすいため口下手な南野も気軽に話せた。

 

渡辺「あ、じゃあ今日弁当作る時間なかったから私も一緒に行こっと」

 

渡辺は普段は弁当を作って持ってくるが、たまにこうやってコンビニで弁当を買う。

 

歩いて5分ほどのコンビニに着くとレジにはいつもの2人のおばちゃんアルバイトがいた。

 

このおばちゃん達、いやそのうち1人はご婦人って言った方がいいのかな?は面白いくらい対照的だ。

 

1人目のおばちゃん、名札を見ると山崎さん。

いかにもチャキチャキした小太りのおばちゃんで60歳手前くらいかな。

お客さんにも「あら、もう昼休みー?」とか「暑いから大変ねー」とかグイグイ話しかけてくる。

気さくで良い人だとは思うけど内気な南野はちょっと苦手だ。

 

もう1人のおばちゃん、というよりご婦人は何でコンビニでバイトしてるんだ?って感じの上品な感じ。50代だとは思うけどちょっと年齢がわかりにくい。

名札を見ると藤田さん。

お客さんに話しかける事は無いが、丁寧でキチンとした応対をしている。

 

南野と渡辺がコンビニに入ってくると小太りの山崎さんがニマっと笑って声をかけてきた。

 

山崎「あら、あんた達もう昼休み?良いわねー。

こっちは朝から立ちっぱなしで腰痛いわよ」

 

南野は「はあ」頷いてと軽く会釈した。

 

渡辺は同じおばちゃん気質でニマっと笑いかえしながら応えた。

 

渡辺「大変ねー、あんまり無理しないでよ。もういい歳なんだからー」

 

それに対して山崎のおばちゃんはハッハと一声大きく笑ったあと、レジにならんでるお客さんの応対に戻った。

 

南野が焼肉弁当を選んでレジにならぶ。

 

レジでは上品な藤田さんが応対してくれた。

藤田「お弁当は温めますか?」

南野「あ、お願いします」

藤田「レジ袋はご入用ですか?」

南野「すみません。お願いします」

 

藤田さんは静かなトーンだけどハッキリと聞き取りやすい声をしていた。

 

藤田「どうもありがとうございました」

 

コンビニバイト特有の棒読みではなく、キチンと人に対して伝えようとする挨拶だ。

それだけで気持ち良いコミュニケーションが取れた気分になる。

 

南野はちょっとした違いだけど、こんなに気分が変わることに気づいてから、意識的に藤田さんのレジに並ぶようにしている。

 

南野は会計が終わり、後ろにならんでいる渡辺を出入り口付近のちょっと奥まったところで待っていた。

すると小太りの山崎さんが声をかけてきた。

 

山崎「ちょっとお兄さん、そこ出入り口だから早く出ちゃってー。ハイハイまた来てね」

 

別段出入りのジャマになるような場所では無かったが、南野はバツが悪い感じがしてモヤッとしながらも「すみません」と応えてコンビニの外で渡辺を待つ事にした。

 

渡辺は菓子パンとサラダをエコバッグに入れてコンビニから出てくるなり声をかけてきた。

 

渡辺「南野くん、さっき山崎のおばちゃんに何か言われてなかった?」

いかにも怒った様子だ。

 

南野「あぁ、ちょっとジャマな場所で待っちゃってたみたいで、外に出ててって言われました。」

モヤッとはしたが確かに出入り口付近ではあるので、こちらに非がある。

別段気にしてない感じに聞こえるよう冷静な声で答えた。

 

それを聞いて渡辺は眉をしかめた。

渡辺は山崎のおばちゃんと仲が良さそうなのでその激しいまゆのしかめかたは意外だった。

 

渡辺「あの場所全然ジャマじゃないじゃん!

他の人だってしょっちゅうあそこで連れの人待ってるよ。

っていうかあの言い方もひどくない?犬でも追い出すような言い方してさー。

山崎さんってかなり前より感じ悪くなったよねー」

憤懣やるかたない様子で一気に捲し立てた。

 

その後もコンビニから会社に帰るまで渡辺の山崎批判は続いた。

 

最初は自分のモヤッとした気分を晴らしてくれるようで嬉しかったが、一見仲が良さそうにしていた渡辺が激しく山崎を批判する姿を見て南野は薄ら寒いような感覚を覚えた。

 

続く

 

また書きます!