自分勝手なやつ! モヤっとドラマ①
日常の人間関係でちょっとしたモヤッとやイラッとを両者の目線で考えていきたいと思います。
ここは都内の下町の零細企業。
財布やカバンの卸売り販売をしている社員10人に満たない会社だ。
コロナの影響で一時期「この会社大丈夫か❓」と心配されるほど売り上げが落ちたが、ネット販売で成功してる企業から発注が来るようになり、ようやく売り上げもコロナ前に近付いてきた。
大忙しとまでは言わないが、コロナで長らく暇な時期を過ごしてきたので、体感的には忙しい。
今社内には佐藤と西田2人の営業が午後からの営業周りの準備をしていた。
佐藤の方が入社が早いので形としては先輩だが、そこは零細企業。
最初は西田も佐藤に対して敬語だったが、西田の方が年が一つ上という事もあってすぐに話す時はタメ口になった。
今日は西田に仕事が立て込んでるようで、伝票を書きながら佐藤に訊ねてきた。
西田「サトクン、この商品って30個から割引だけどさ。在庫少ないから30個売るの怖いんだよね。20個で割引価格で良いよね?」
この商品に関しては佐藤が担当で割引の事も社長から一任されている。
ただその商品の在庫はまだ80個あり、次の入荷日を計算すると微妙な線だ。
佐藤「在庫的には大丈夫かもだけど、どうせ西田さん、もうお客さんに話しちゃったんでしょ?」
西田「まあ。。そうなんだよね。20個で割引でゴリ押しされちゃってさ。今回だけ何とかそれで良いかな?」
西田はお客さんに押されると弱い。
この前も他の商品を割引させられて部長にどやされていた。
今回は確かに在庫も少なめだし、20個で割引価格は妥当な線かもしれない。
ただ西田は当然、在庫なんか調べて無いだろうし今回たまたま本当に在庫が少なかっただけだ。
一応今回は割引価格で行くとして、これからはお客さんに話す前に確認してもらわなくてはならない。
その事を伝えようと西田に話した。
佐藤「今回は割引価格でいきましょ。ただ、」
西田「ストップ!オーケー、ありがとう、後の話はいいや」
佐藤「・・・」
西田はいかにも忙しそうに伝票を書きながらパソコンの画面を見てキーボードを操作していた。
西田の性格はわかっている。自分が都合の悪い話は聞きたくない。
それでいて忙しく無い時はどうでも良い話をずーっとしている。
他の社員はほとんど聞いて無いが、佐藤は隣のデスクなので仕方なく適当に相槌をうっている。
ほんの些細な事だけど、佐藤はさっきの自分が話すべき事を「ストップ!」と遮られたことにモヤっとしていた。
自分が事前確認を怠った場面に対して、ある程度融通を効かせた相手に対して取る態度か?
午前のバタバタが終わり佐藤がデスクで昼食を食べてると西田が話しかけてきた。
さっきのモヤっとした気持ちが残ってるけど、あからさまに怒るのは自分の器の小ささを意識しそうで嫌だ。
西田「昨日、いつものパチンコ屋でスロット打ったらさー。千円でビッグ!
その後も連チャン止まらないで今日は肩痛くてさー。。」
いつもの佐藤なら全く興味の無い「パチンコで儲けた話」でも「あー、それは良かったすねー」くらいは答えたかも知れない。
ただ佐藤にはさっきのモヤッが残ってたし、西田が話かけてくるとしたら「さっきごめん、ちょっと余裕無くてさ」くらいは枕詞にあっても良いと思っていた。
そこに来て全く興味の無いパチンコの儲けた話を聞かされそうになったので(いつもこの話はつまらなく長い)さすがに遮った。
佐藤「わかりました!もうその話いいですわ。全然興味無いんで」
西田「いや。。。でもそんな言い方なくねえか?
俺は別に普通に話しただけなのに」
佐藤「わかりました。言い方強かったのは謝りますけど、ちょっと調べ物あるんで話しかけないでもらえます?」
西田「・・・」
さて、日常のちょっとしたモヤッと明日はこのモヤッとした感じを西田目線で見てみます。
また書きます!